北アルプスを貫き、富山、長野両県を結ぶ「立山黒部アルペンルート」が15日、冬季閉鎖を終えて全線開通した。悪天候のため室堂(標高2450メートル)の「雪の大谷」を散策するイベントは中止となったものの、周辺にある雪の通路などで国内外の観光客が立山の魅力に触れた。
アルペンルートを運営する立山黒部貫光によると、初日の入り込み客数(速報値)は富山側788人、長野側2932人の計3720人で昨年のほぼ半数だった。美女平(標高977メートル)と室堂をつなぐ立山高原バスが、朝の数便を除いて運休したことなどが響いた。
雪の壁が500メートルにわたって道路の両脇にそびえる「雪の大谷」の最高地点は16メートルで、昨年より2メートル高い。全体的に高さのある部分が続き、迫力の景観を楽しめるという。16日以降に天候が回復すれば開放する。
立山黒部貫光の見角要社長は「(中止は)残念」としつつ、4、5月の予約が順調に増えていると説明。1月に富山市が米紙ニューヨーク・タイムズの「2025年に行くべき52カ所」に選ばれたことを受け「世界各国からの訪問を期待している」とも語った。