富山湾の春の風物詩、ホタルイカ漁が1日、解禁された。滑川漁港(富山県滑川市高塚)の水揚げ量は18キロにとどまり、漁初日としては過去10年で5番目だった。滑川沖の定置網に多くのマイワシがかかり、ホタルイカが入り込めなかったとみられる。今後、海水温が上昇すれば漁獲は増える見込みで、地元漁師からは豊漁に期待する声が聞かれた。
冷たい風が吹く午前3時40分ごろ、滑川春網定置漁業組合が親船と子船計6隻で滑川漁港を出港し、沖合約1・5キロの漁場に向かった。定置網には多くのマイワシがかかっており、漁師がかき分けながらホタルイカをたも網ですくった。ざるに入れると、幻想的な青白い光を放った。
ホタルイカの水揚げ量は年によって差がある。同漁港における過去10年(2015~24年)の初日で見ると、最少は23年の59匹(0キロ)で、最多は15年の412キロ。年間の水揚げ量が最も多かった24年(678・8トン)の初日は106キロだった。県水産研究所は、今年の漁獲量を平年並みとみている。
同市の漁師で第三定栄丸の水野豊船頭(51)は「天候が良く期待していたが、初日としては残念。これからに期待したい」と話した。この日のマイワシの水揚げ量は約500キロだった。
ホタルイカは市内の水産加工会社が1キロ当たり1万8900円で競り落とした。漁は例年、6月ごろまで行われ、4月から最盛期を迎える。