第103回全国高校サッカー選手権県大会は4日、高岡市の高岡スポーツコアで準決勝2試合を行い、龍谷富山が9連覇中の富山第一を4-1で破り、富山東は富山北部を1-0で下した。龍谷富山は初、富山東は9大会ぶりの決勝進出となる。
龍谷富山は前半9分にFW横山が先制シュートを決めた。一度は追い付かれたものの、後半35分までに横山がハットトリックを達成して圧倒した。
富山東は守る展開が続いたが、後半29分にFKのチャンスからDF中田が押し込んで決勝ゴールを奪った。
決勝は9日午後0時5分から県総合運動公園陸上競技場で行い、龍谷富山は初、富山東は47年ぶり3度目の全国選手権出場を狙う。北日本新聞社後援。
龍谷富山、王者破る 横山主将ハットトリック
試合終了の瞬間、龍谷富山の応援席が番狂わせに歓喜した。9連覇中の王者の守備を崩し切り、創部21年目で初めて決勝に進出。ハットトリックを決めた主将のFW横山は「高校サッカー人生で一番うれしい」と破顔した。
横山の先制点は前半9分。高い位置で相手GKにプレッシャーをかけてボールを奪取し、無人のゴールに左足で冷静に流し込んだ。1-1で迎えた後半21分にはクロスにMF松代が反応して勝ち越しゴール。勢いは止まらず、その後、横山がミドルシュートなどで2点を加えて突き放した。「どこからでもシュートを打てる」と自信を持つ横山は、これで今大会9得点を記録。「チームに貢献できた」と胸を張った。
創部当初は、11人をそろえることにも苦労した。地道に実績を積み上げ、今や部員51人の大所帯となった。横山は「優勝して憧れの全国の舞台で戦いたい」と決勝を見据えた。
富山東、堅守で粘り勝ち
富山東が粘り勝ちした。風速6メートルの風を味方につけて無失点で守り抜き、47年ぶりの優勝に王手をかけた。決勝ゴールを決めたDF中田は「全員でつかんだ勝利」と喜んだ。
前半はあえて風下のエンドを選んだ。向かい風の中で相手の攻撃に耐え、体力が落ちる後半に勝負をつけるプランだった。ピンチをしのいで無失点で折り返し、主将のMF松本は「狙い通りの展開」と振り返った。
追い風の後半も相手に押し込まれたが、堅守を発揮した。懸命の守りが報われたのは同29分。右サイドで獲得したFKのチャンスで、クロスにDF中田が詰めてゴール。今季から主力の座をつかんだ2年生は「すごくうれしかった」と満面の笑みを見せた。
決勝で対戦する龍谷富山とは、県リーグでは1勝1敗と互角の戦績だ。中田は「チーム一丸になって、3年生を全国に連れて行きたい」と誓った。