富山の皆さん、初めまして!タレントの久志本眞子(くしもと・まこ)です。5歳で大相撲の奥深い沼にハマり、かれこれ15年が経ちました。これまで、相撲雑誌のインタビューや対談など大相撲関係のお仕事をたくさんさせていただきましたが、コラムを書くのは初めてです。タイトルの「発気揚揚(はっきようよう)」は、大相撲の言葉で行司さんが立ち合いの時に言う「ハッキヨイ」と同じ語源(諸説あり)で、気合を入れて全力で勝負せよ!という意味があります。私も発気揚揚、全力でこのコラムを務めさせていただきます。
執筆をお引き受けするに当たり、題字は、強くて美しい相撲字で知られる幕内行司・木村秋治郎さん(春日野部屋)に書いてもらいました。
もう一人、ごあいさつをした方がいます。富山市出身の朝乃山関です。縁あって、北日本新聞社のwebunプラスで書かせていただくことを報告すると、「めっちゃ地元やん!」とうれしそうにしてくれました。
この連載では、毎月1回、大相撲の魅力や豆知識、場所ごとの見どころや注目力士についてもお話ししたいと思います。

巡業で一目ぼれ
初回なので、自己紹介を兼ねて、私が大相撲にハマった経緯をお話ししたいと思います。私の体験を通して、読者の皆さんにも大相撲の魅力や楽しさを知っていただければと思います。
5歳のとき、私の地元・三重県津市で開催された巡業に誘われ、急きょ、家族で観に行くことになりました。前の晩、相撲の雰囲気を知ろうと、ちゃんこ鍋屋さんを訪れると、大島部屋の力士がいらっしゃいました。力士を生で見たのはその時が初めて。その大きさに圧倒され、固まってしまったのを今でも覚えています。力士の皆さんは子どもの私に、とてもフレンドリーに明るく接してくださり、大きくて無表情で怖そう、という「お相撲さん」のイメージが180度変わりました。と、同時にそのギャップにすっかり心を奪われてしまいました。
翌日の巡業では大勢の力士と話したり、パンフレットにサインをしていただいたりしました。皆さんとても優しくて、面白くて、大好きになりました。そして取組を間近で見て、鍛え上げた大きな体一つで勝負を挑む姿に、かっこいいなあと一目ぼれしました。他のスポーツと違い体重別階級もなく、どんな相手にも真っ向勝負。立ち合いの瞬間に巨体同士がぶつかる衝撃音。会場に沸き上がる歓声、全ての要素が幼い私の心を躍らせました。今度は本場所を観戦してみたいと、大相撲熱がどんどん高まり…現在に至ります。
次回は初場所展望
歴史ある相撲についてはいくらでも書けるのですが、とりわけ、富山県の皆さんが気になるのは、朝乃山関についてですよね。地元愛が誰よりも強く、そして地元の皆さまからも愛されている朝乃山関の魅力についても、このコラムでたっぷりお伝えしていこうと思っています。
以前、雑誌のインタビューのお仕事で朝乃山関にお会いした時、富山県の魅力について尋ねると「自然豊かで、とにかく食べ物がおいしくて魚が新鮮。富山に帰りたい!」とおっしゃっていました。私は現在、オーストラリアに留学中なのですが、帰国した際には富山県に行ってみたいと思っています。
きょう12月25日は初場所の番付発表の日です。朝乃山関の三役復帰に対する強い思いは、2024年を迎えるにあたり、さらに強くなっていることでしょう。
初回から書きたいことが多すぎて、予定の字数を大幅に超えてしまいました。次回は大相撲初場所の初日に合わせ、見どころについてお話しできればと思っています。富山の大相撲ファンの皆さん、次回も楽しみにしていただけるととてもうれしいです。
(次回は2024年1月14日に掲載します)