カラスの対策に、富山県内の行政や住民、企業が頭を悩ませている。ふんや鳴き声、威嚇行動が年々深刻になっているが、カラス退治に特効薬はなく、人間とカラスとの知恵比べが続く。

上空を飛ぶカラスとみられる鳥の群れ=富山市内

 夕暮れ時の富山市内。市役所や富山城址公園周辺では、おびただしい数のカラスが飛び交う。

対策強化で8割減も

 富山市は2017年度からカラス対策を強化した。捕獲用おりの設置や巣の撤去、カラスの鳴き声をスピーカーで流すなどの取り組みを進めた結果、2021年度のカラスの生息数は2195羽とピーク時の1万1898羽から8割減少した。市は「カラスの餌となるごみを放置しないなど市民の意識が変わったことも減少につながった」(環境保全課)としている。

カラスへの餌やりを禁止する看板=富山城址公園

 富山市のカラスは減少傾向にあったものの、2022年度は2月末の調査時点で4743羽が確認され、2500羽ほど増えた。市は積雪日数が少なく、カラスにとって餌を得やすい環境だったことに加え、渡り鳥として飛来した数

残り940文字(全文:1392文字)