2020年から新しい学習指導要領がスタートします。学んだことが生きる力となって、その後の人生につながっていくことを目指し、「何を学ぶか」だけでなく「どのように学ぶか」、にも重点が置かれ、グループワークやディスカッション、ディベート、プレゼン能力の育成が強化されます。このような活動の土台になるのは言語活動、つまり国語力。そして国語力の基礎を育んでいるのが、親子の会話です。
まずはあいさつを大切にしましょう。目と目をつなぎ、朗らかな声で「おはよう!」「いただきます!」を言います。「ありがとう」も家族全員の口ぐせにしましょう。また「ごめんなさい」が言えない子が多いと言われます。親も申し訳ないと思えば、子どもに謝りましょう。
子どもの力を伸ばすため、家庭でできることはたくさんあります。食事の時間には、親子で「食リポ」がおすすめです。夕飯が肉じゃがなら「肉じゃがが白いお皿に乗ってやってきました。いただきます。ホクホクしておいしい。ほんのりしょう油の香ばしい味がします」という風に。五感を研ぎ澄ませて事実を描写することは、気持ちを伝えるトレーニングになります。
さらに親は「何が入っているの?どんな香りなの?」とどんどん質問します。食事の時間が豊かになり、感謝の心も生まれます。結果、作文や日記などの「書く力」につながります。
そして子どもの思考力を高める鍵になるのが、親の質問力です。「5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)」を聞くことが大切です。「学校どうだった?」と聞き、「友達がケンカした」と子どもが答えたなら「原因は?」「みんなは何て言ったの?」「あなたはどう感じたの?」とさらに詳しく聞きます。子どもは自分の気持ちを振り返り、親は子どもの意外な一面を知ることもあります。
気を付けたい言葉もあります。「キモい、うざい、むかつく、大嫌い」などのマイナス言葉は控えてください。親から子への「お前」という呼びかけや、人に対して善悪、優劣をつける言葉もやめましょう。そうすることで親や先生への信頼、敬意が育まれます。
また日頃から人の良い所を一緒に探し、褒めることも心掛けてください。自分を取り巻く人の良いところを見つけるのが上手になり、前向きな言葉が増え、学校生活が豊かになります。子ども自身も安心感と自信で充たされます。その結果が、学力の向上にもつながるのではないでしょうか。