「どの高校に進みたいか」を考えることは、これまで何となく描いていた将来のイメージをより具体的にしていくこと。悩んだり不安になったりすることもあるかもしれませんが、子どもたちを成長させてくれる大きな1歩となります。いざ高校受験を前に慌てないために、小中学校ではどんなキャリア教育が行われているのか、入試までのスケジュールを、県教育委員会小中学校課の山越哲也さんに聞きました。

自分の将来を考える『キャリア教育』とは?

 富山県内では、小学3年生から地域の職場見学などを通して、働く場所に触れる活動を行っています。中学校に入ると、2年生を対象に自らの進路や生き方について考える機会を持つため『社会に学ぶ14歳の挑戦』と題し、地域での職場体験をします。また様々な職業に就く方に話を聞く講演会や、自分の関心のある職業を調べる活動なども取り入れ、将来の自分の姿を描くきっかけづくりを行っています。

『14歳の挑戦』は、大人と関わる機会

 「14歳の挑戦」は、生徒たちが大人と関わる機会としても重要です。日常生活では、先生と親以外の大人と触れ合うことは、なかなかありません。今まで関わったことのない大人と接することで、視野が広がり、勇気が湧いてくるということもあります。また礼儀作法や時間を守ることの大切さも、このような社会体験を通して初めて、親や先生に言われたからではなく、生きていく上で本当に大切なんだと理解できるようになります。

志望校選びは2年の秋から

 具体的な志望校選びに入る前には、志望校についての調べ活動や、高校のオープンハイスクールへの参加、卒業生の話を聞く機会を設け、考えるきっかけづくりを行い、保護者との十分に話し合うよう促します。

志望校の絞り込みは生徒によって様々ですが、学校では中学2年の秋頃に『進路のしおり』を配布し、生徒とともに考え、助言をするようにしています。他にも、『とやまの中学生ライフプラン 自分の「未来」を描こう』という冊子を配布し、10年後、20年後そして50年後の自分の姿を考える機会を与えています。

 多くの生徒は、高校入試をきっかけに「自分がこの先どういう風に進んで行くか」を考え始めます。普段から親の思いを語るとともに、最終的には子どもの思いを大切に、子ども自身の決定を温かく見守ってあげてほしいと思います。困ったことがあったら学校に相談してください。

 

高校入試の実施概要は毎年11月上旬に発表

高校入試の実施概要は、毎年11月上旬に、富山県教育委員会から発表され、『県立高等学校をめざすみなさんへ』という冊子として中学3年生に配布されます。全日制、定時制、通信制に分けて、その年の入試に関する実施概要が詳しく書かれています(内容は県教委県立学校課のホームページも見ることができます)。推薦選抜でどのような人を募集するかや、実技検査内容、制度の変更点なども具体的に記されています。

 

31年度入学者選抜
県立高等学校をめざす皆さんへ

平成31年度県立高校入学者選抜日程