Q ハロウィーンの由来は?
実はキリスト教のイベントではありません。起源は、古代ケルト人の祭り「サウィン祭」と考えられています。古代ケルト民族は、1年の終わりを10月31日と定め、その夜を死者の祭としたそうです。ケルト人にとって、サウィン祭はとても重要なお祭りだったのですが、当時のローマカトリックの教皇は、異教徒を改宗させるための最良のアプローチ方法として、既存の異教徒の祝日や慣習のキリスト教化を考え、サウィン祭をカトリックの重要な祝日である「諸聖人の日(All Hallow's)」の前夜祭と定めてしまいます。(近くに祝日を持ってきてケルトの異教徒をつぶそうとした説もあるそうです)
そしてその日を「Hallow Eve:神聖な前夜」と呼び、その言葉が縮まって、現代の「Halloween」になったと言われています。

Q お祭りにお化けが出てくるのは?
ハロウィーンは、死者の霊が親族を訪れる夜、日本のお盆みたいなものなのですが、その時に悪霊や魔物も一緒にやってきて、横暴したり子どもたちをさらったり、作物や家畜に害を加えたりします。それで、たき火やお化けや怖い恰好をして(魔除けです)悪霊に退散してもらうという意味なのです。

Q 米国ではどんなお祭り?
Holiday (祝日)とはならないので、学校も仕事もお休みにはなりません。なので、学校には先生も生徒も仮装して登校します。仕事場に仮装して出勤する人もいます。仕事帰りはパーティーに繰り出す人も多いですね。
夫のマイケルが住んでいたサウスパサデナというエリアは、ハリウッドのコスチュームデザイナーやスペシャルエフェクトの人たちがたくさん住んでいるので、庭先にお化け屋敷ができたり、電気で動く仕掛けがあったり。まるでテーマパークなので、見学に来る人がたくさんいたそうです。ガレージのシャッターに挟まれて血だらけになっている人形などを飾る人もいて、警察に通報する人もいたとか。
子どもたちは"Trick or Treat(トリック オア トリート、お菓子をくれなきゃいたずらするぞ)"と言いながら、近所を回って、お菓子をもらって歩くというのが定番です。trickはいたずら、treatはごちそうする、という意味。気を付けてほしいのは、外灯が灯っていない家には訪問しないこと。電気が灯っていない民家は「お菓子は用意していません」と言う意味です。毎回ドアに出るのが面倒な家は、お菓子がドアの前にガツっと置いてあったりします。

Q カボチャのランタンはどうやって作るの?
Jack-o-Lantern (ジャック オー ランタン)と言い、魔よけや悪霊を追い返すため戸口に飾ります。だいたいこの時期になると、アメリカでは町のあちこちにPumpkin Patch(パンプキンパッチ)と呼ばれるカボチャ売り場が現れます。アメリカのオレンジのかぼちゃは、中は本当に空っぽ。種がありますが、実も水っぽくて柔らかいので、フルーツナイフなどで20~30分もあればくり抜けます。中にキャンドルを入れて窓などに飾るのですが、キャンドルをともすと一気に腐敗が進み、1週間もすると、見るも無残な姿になります。そこで、ブリーチにつけておくと持ちがよくなると聞いたことがあります。
くり抜いたカボチャの種はオーブンでローストして食べます。カリカリにしてシナモンやスパイスをまぶすと、おつまみになります。カボチャは食べません。あまりおいしくないですし。日本に来てからは毎年、アメリカのカボチャをオンラインで購入しています。現地では8ドル前後(1000円以下)ですが、日本では3000~4000円くらい。日本の緑のカボチャは肉厚なので、ランタンは難しいと思います。

Q パーティーではどんなことをするの?
私たちの英会話スクールでも、毎年ハロウィーンパーティーをしています。子どもたちは仮装をしてハロウィーンにちなんだクイズやゲームをして、Trick or Treatと言いながらお菓子の交換をします。パーティーの定番の遊びと言えば、Bobbing for Apples(リンゴを水に浮かべ、手を使わずに口でリンゴを加えてゲットするもの)があります。Pin the Tail on the Cat.という福笑いの黒猫版みたいなものも有名です。
Trick or Treak!は、トリックオアトリートとカタカナで書きますが、「tr」の音はチュに近いのでチュリックオアチュリートのほうが英語らしいです。ぜひ英語っぽく発音してみてください。
他の言語を学ぶということは他の文化や考え方を学ぶということ。世界にはたくさんの文化があって色々な考え方があることを知ることができます。ぜひハロウィーンだけでなくいろんな文化を体験してみてください。
