富山県教育委員会は2027年度採用の教員試験を見直し、対象者を拡充する。1年早く1次検査を受けられる要件を、教員免許取得見込みの「大学3年生」から「取得前年度の大学生・大学院生」に緩和。5年かけて卒業する学部生や修士課程1年生らの受検機会を増やす。理科については、教員免許を持たない博士号取得者らも対象に加える。採用倍率の低迷が続いており、門戸を広げて優秀な人材の確保につなげたい考えだ。
12日に県庁で開いた県教育委員会定例会で方針を説明した。
県教委は1次検査を大学3年次に受けられるようにしている。合格すれば翌年の1次検査は免除となり、不合格でも4年生で改めて受検できる。受検者を増やすため対象を拡大する。
教員免許を持たない志願者の「特別選考」については、対象教科に理科を加えた。他教科に比べて特に採用が困難なため。博士号取得者や大学で3年以上指導する講師らを想定する。既に農業、工業、技術、情報の選考で取り入れている。
他県で3年以上教員として勤務した経験がある人も、条件を緩和する。これまでは退職後ブランクがない人のみを対象にしてきたが「退職後5年以内で、かつ受検する年度に県内で講師として働いている人」も受検可能とした。
12日の会合では出席した教育委員から、現場での働きぶりを踏まえて採用方法を見直すべきとの指摘や、他県で教職経験を持つ人に関し、富山で受検するハードルをさらに下げるべきとの意見が出た。
廣島伸一教育長は「人手不足が進む中、質を確保するためには実情を踏まえて対応していく必要がある」と述べた。27年度採用の試験は今年7月に1次検査、8月に2次検査を行う。
人材の獲得競争が激化し、県内の志願・採用倍率は近年低迷が続く。26年度採用の志願者数は、過去最低だった25年度と同数の678人。採用予定者数の減少により倍率は0・1ポイント上昇し2・1倍となったものの、低水準が続く。採用倍率は1・6倍で、過去最低を更新した。
26年度採用では初めて、県外在住で富山へのUIJターンを希望する現職教員を対象に冬選考を実施。6人が合格した。