
前田 誠 氏。座右の銘 高校時代の野球部恩師から贈られた言葉「一生入魂」
福祉施設のノウハウ 強みに
―若手技術者の育成に力を入れている。
新卒者を毎年採用し、20代の若手が増えてきた。実務経験を積みつつ「前田義塾」と銘打った月1度の勉強会で先輩社員から技術を学んでいる。建設業界はどこも人手不足が課題だ。社員の採用、定着、育成のためにも危機感をもって労働環境の改善に取り組んだことで、厚生労働省のユースエール認定企業に選ばれた。来年の設立80周年に向け、小矢部支店を手始めにオフィスのリニューアルも進めていく。
―今年の目標は。
社員の努力によって生産性は上がっている。国立登山研修所のロッククライミング施設改修など新たな分野にも挑戦できている。個々のレベルアップ、チーム力の向上を感じており、業績につなげていきたい。「当たり前のことを、ばかにせず、ちゃんとやろう」の頭文字を取った「ABC」を心に刻み、「当たり前」の反対語「ありがとう」と言っていただける仕事ができるように精進していく。
―社会福祉士の資格を持ち、かつて県職員として児童自立支援施設に勤めていた。この経験から福祉施設の建設に携わる機会が増えている。
福祉施設の造りやサインには利用者の安全と使いやすさへの細やかな配慮が求められる。工事実績を重ねて社員にノウハウが蓄積され、関係者から助言を求められることも増えている。当社の強みとして認めていただけているのはありがたい。
がんや難病など重い疾患を抱える子供と家族に居場所を提供する「こどもホスピス」の普及に向けて国が支援に乗り出し、県内で開設を目指す動きがある。当社としても協力できないか検討中だ。自身も、緩和ケア病棟の看護師のみなさんに支えられて、がんを患った妻を子供たちとともに看取る経験をした。建設会社としての専門性を生かし、医療・福祉関係者の献身的な働きに報いていきたい。

同社が整備した「りすの森」は、不登校児支援やカフェなど交流の拠点に
