高岡鋳物発祥の地、富山県高岡市金屋町に伝わる民謡「弥栄節(やがえぶし)」の保存会は15日、高岡商工ビルで創立50周年を記念した「感謝のつどい」を開いた。保存会の会員や町の住民ら関係者136人が節目を祝い、高岡の歴史を伝える民謡の継承を誓った。
弥栄節は鋳物業の工程「たたら踏み」の作業歌がルーツ。保存会は町の住民が1975年7月に立ち上げ、民謡の普及や継承に取り組んでいる。
感謝のつどいでは、冒頭で保存会が手がけた弥栄節の歴史をまとめた動画を上映。藤田益一会長が「高岡に鋳物産業を築いた前田利長公への感謝の思いが原点にあり、多くの方々のご尽力で、50年を迎えることができた」とあいさつした。嶋田一成金屋町自治会長は「弥栄節がいつまでも皆さんに愛される伝統芸能であってほしい」と語った。
出町譲市長と蒲地北日本新聞社長が祝辞を述べ、近藤智久市教育長の発声で乾杯した。保存会が今年6月に出演した大阪・関西万博でのパフォーマンスの様子を撮影した映像も流された。保存会は創立50周年の記念誌も制作している。