富山県は16日、船員不足や利用者減のため、運航体制の見直しを進めている射水市の県営渡船の代替として、ジャンボタクシーによる乗客輸送の社会実験を始めた。23日も行い、利用状況や課題を踏まえて今後の在り方を検討する。

 実験では渡船の運航を取りやめ、午前7時台~午後8時台に30分間隔でジャンボタクシー48便を運行した。新湊大橋を通って渡船の発着場となっている堀岡―越ノ潟間を約10分で結ぶ。定員10人で自転車は2台まで載せられる。

 16日は市民や観光客が利用した。渡船に月20日間ほど乗るという同市西新湊の無職、綿貞子さん(77)は「船と比べて支障はなかった」と話す。一方、タクシーは船より所要時間が約5分延びるため「バスとの接続が心配」とも語った。自転車を載せてよく利用するという富山市の男性は「船は情緒があり、なくなるとなれば寂しいが、船体の老朽化を考えると仕方ない」と話した。

 愛知県から観光に訪れた会社員、藤田康介さん(37)は「船も魅力的だが、橋の上から見える風景も良かった」と語った。

 渡船の運航は1967年、県が地域の足を確保するため始めた。発着場間の海上770メートルを約5分で結び、運賃は無料。代替ルートとなる2012年の新湊大橋開通に伴い、県行政改革委員会が将来の廃止を提言していた。