富山県南砺市平地域の世界遺産・相倉合掌造り集落で17日、合掌造りの屋根材となるカヤの刈り取り作業が始まった。収穫したカヤは来年、屋根の葺(ふ)き替えに使う。
集落保存財団によると、相倉はカヤを自給自足している全国でも珍しい集落。保存財団が、集落内や周辺に点在するカヤ場を管理し、集落で必要なカヤの半分近い2500束ほどを収穫している。
初日は、社員研修の一環として30年にわたり相倉でカヤ刈りに協力する人材サービス業・クイックの和納勉会長(76)と新入社員ら34人が、集落内キャンプ場近くのカヤ場で作業した。秋晴れの下、汗をにじませながら、1・5~2メートルに伸びたカヤを鎌で刈り取っていった。同社では、グループ会社も含め27日まで計180人が参加する。
カヤは乾燥させ、保管庫に運び入れる。作業は11月上旬まで続く見通し。