五箇山と白川郷(岐阜県)の合掌造り集落が12月に世界遺産登録30周年を迎えるのを記念したサイクリングイベントとパネル展示が11日、南砺市五箇山地域で行われ、観光客らが山里の豊かな自然や文化に触れ、魅力を再確認した。

自然豊かな山里快走 観光サイクリング

 「世界遺産五箇山・白川郷観光サイクリング」は、南砺市の五箇山合掌の里を発着点に行われ、参加者26人が菅沼と白川郷の両合掌集落を結ぶ自然豊かな42キロを自転車で駆け抜けた。

 両集落の魅力を一体的に感じてもらおうと、市観光協会が企画。県内に加え、岐阜、石川、新潟、福井の各県からも参加があった。

 参加者は6グループに分かれてスタート。安全走行を担うサイクルガイドに先導され、国道156号を通って白川郷へ到着すると、地元ガイドの案内で集落を散策した。菅沼でも観光を楽しんだ。

 県境の庄川に架かる合掌大橋の展望所などにも立ち寄った。コース沿いに設けたエイドステーションでは、特産カボチャ「五箇山ぼべら」のもなかと城端で作られた焼き菓子を味わった。

本紙で歩み振り返る 塩硝の館リニューアル展

 富山県南砺市の菅沼合掌造り集落で、塩硝の館のリニューアルオープンを記念したパネル展「報道でみる30年の追憶」が始まった。住民や観光客が北日本新聞の記事で歩みを振り返った。来年1月31日まで。

 1995年の世界遺産登録を伝える記事は「やったぞ“世界の肩書”」の見出しで祝賀ムードに沸く様子を紹介。今では恒例となっているライトアップイベントの初開催や展望広場の完成、新型コロナウイルス禍で閉鎖された集落など、さまざまなイベントや出来事を30点の記事で伝えている。

 世界遺産登録を伝える記事で、亡き義両親と自宅玄関にちょうちんをつるした写真に写る北厚子さん(82)は「世界遺産になったのは集落にとって誇り。今もガイドとして観光客に伝えている」と話した。

 展示に協力する越中五箇山菅沼集落保存顕彰会の中島慎一会長は「いろんなことがあった30年を記事で振り返ってほしい」と語った。北日本新聞社後援。