第78回秋季県高校野球大会は9月6~23日に36チーム(43校)が参加して行われ、富山商が8年ぶり20回目の優勝を飾った。準優勝の高岡第一、3位・氷見と4位・新湊も来月11日から県内で開かれる北信越大会の出場権を獲得し、来春のセンバツ出場を目指す。新チームによる熱戦を振り返った。

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 富山商、高岡第一、氷見の上位3校は3年生に交じって夏の大会を経験した主力級が残り、ノーシードながら前評判が高かった。いずれも投手陣が力を発揮し、接戦はあったものの実力通りに勝ち上がった印象だ。夏の悔しさを成長の糧にした点も共通している。富山商は守りを鍛え直し、高岡第一は左腕の前田侑大が安定感を身に付けて、それぞれ夏に敗れた高岡商、未来富山との直接対決を制した。氷見は夏の初戦で高岡第一に逆転サヨナラ負けを喫した教訓から、緊張感の高まる場面を常に想定しながら練習してきたという。当時は崩れた右横手投げの滋野颯太は3位決定戦を好救援で勝利に導き、「夏の大会が終わってからフォームを見直し、リリースポイントを少し下げて制球が安定した。ピッチングで大切なのはスピードだけじゃない。高めに浮かないように気を付けながら、課題の最終回も気持ちで乗り切ることができた」と話した。

投手力と堅守光った富山商

 富山商は5試合に計5人が登板して7失点に抑えた。先発で起用された右下手投げの浅井亮介や右上手投げの柳原昊芽が打たせて取るピッチングでゲームをつくり、140㌔超の本格派右腕・藤岡大翔につないで準々決勝と準決勝は1点差の接戦を制した。決勝は藤岡が1失点、被安打4、11奪三振で完投している。守備力が秋季大会の段階としては高水準にあり、内野がヒット性の難しいゴロを何度も処理して投手を助けた。夏の大会を反省し、「球際」を意識して鍛錬を積んできたという。センバツを目指すうえでの武器になりそうだ。

8年ぶりの優勝を飾った富山商

 攻撃はやや爆発力を欠いたが、決勝では重盗やバントを絡めて高岡第一の前田から3点を奪った。前﨑秀和監督は「安打を重ねなくても打者がそれぞれの役割を果たしていけば得点は取れる」と話し、得点パターンを磨いて北信越大会に備える。

高岡第一・前田、氷見・山﨑が好投

 高岡第一は秋季大会で24年ぶりの決勝進出を果たした。

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