富山大空襲の遺品資料の常設展示に関し、藤井裕久富山市長は9日の市議会本会議で、戦争の悲惨さや平和の尊さを後世に伝えるために必要との考えを示した。高田真里氏の一般質問に答え、「富山大空襲の記憶を風化させることなく、しっかりと次の世代へ引き継ぐことが大切だ」とした。
市長は、7月の「富山市のあゆみ展」で焼夷(しょうい)弾や防空頭巾などを展示したところ、来場者が関心を寄せていたと紹介。「展示の大切さについて思いを強くした」とし、「資料を常に見られるようにすることは、必要なのではないかとの考えに至った」と説明した。
常設展示を巡って市長は、7月に県民会館で開かれた富山大空襲展を訪れた際、「何ができるか考えたい」と述べ、同月の定例記者会見では「検討する必要がある」としていた。
市は現在、砲弾や空襲警報看板など27点の資料を保有している。
常設展示は、富山大空襲を語り継ぐ会が1994年の設立以来、市や県に要望してきたが実現しなかった。高安昌敏代表幹事は「約30年動きがなかったが、やっと前進した。大きな第一歩だ」と語った。