東京大の学生4人が中山間地域の富山県氷見市速川地区で、人口減・少子高齢化の課題解決に向けた提案を行うために現地学習をしている。6日は、昨年移住し、同地区で「いちはらメロン農園」を営む市原義啓(よしひろ)さんから話を聞き、活性化策のヒントを探った。

 4人は県と東京大が連携した「中山間地域フィールドスタディ政策協働推進事業」で4~7日まで速川地区に滞在。獅子舞練習を見学したり、地区でマルシェイベントを開く若手グループにインタビューしたりして、住民と交流している。

 この日訪ねた市原さんは大阪から移住し、新規就農した。学生たちはメロン栽培にかける思いや移住の理由などを聞いた。市原さんは「見知らぬ土地に溶け込むために注目を集めたかったから、地区で誰もやっていないメロン栽培を選び真剣に作っている」と話し、「苦労も多いが好きなことに汗をかけるので移住は正解だった」と語った。

 学生は「販路は?」などと熱心に質問。市原さんは大半を直売し、ふるさと納税の返礼品にもなっていると説明。特産品として定着してきたことを紹介した。

 教養学部2年、麻生晃成(こうせい)さん(20)は「市原さんの一歩踏み出す勇気に感銘を受けた。自分も活性化策の提案で地区に貢献したいとの思いを強くした」と語った。経済学部4年、戸塚愛理さん(22)は「実際に来て、劇的な問題解決は難しいと感じるが、地元の人には当たり前でも私はすてきだと感じる物や事がたくさんある。外の視点を生かしたい」と話した。

 4人は12月に再度、現地調査を行い、来年2月に「人が集まり稼げる地域づくり」をテーマに住民に課題解決策を提案する。