富山県氷見市の女良公民館は27日、富山湾に浮かぶ県指定名勝・天然記念物の虻(あぶ)が島で清掃活動と自然観察をする会を開いた。ボーイスカウト氷見第2団の児童が参加し、島の環境を守り、生き物や植物を大切に守る思いを学んだ。

 虻が島は約4300平方メートルある富山湾最大の島。暖かい地域と寒い地域の植物が混生し、ウミウシの新種が多数確認されるなど、「生物の宝庫」といわれる。

 ボーイスカウトの児童、保護者約20人が大境漁港から船で島に渡り、漂着したプラスチックごみなどを拾い集めた。島の環境保全事業に取り組む市自然保護員、清水孝則さんらの案内で島を巡り、海に入って生き物を探した。

 高岡生物研究会の泉治夫会長ら6人が同行し、児童と一緒に水辺の生き物を採取して特徴を解説した。泉会長はタブノキなど南方の植物とエゾヒナノウスツボといった北方の植物が混在する貴重な島の自然の大切さも伝えた。宮田小4年の山田連さん(9)は「自分が大人になった時、子どもに伝えてあげられるよう、この自然を大切に守っていきたい」と話した。

 ふん害を起こすアオサギをタカで追い払う鷹匠(たかじょう)2人も参加。児童たちは鷹匠の仕事も学んだ。