富山県氷見市内の民宿・旅館経営者でつくる「あいの宿・氷見」は23日、氷見らしい新料理やサービスの開発につなげようと、同市速川地区にある「いちはらメロン農園」と、ハーブなどを栽培する観光農園「フローリアひなた」を視察した。
メロン農園は昨年開園、フローリアは今年から摘み取り体験を始めるなど、速川地区は特産品づくりや地域おこしが活発だ。視察は、海岸沿いの宿が里山の新たな農業従事者との連携を目的に初めて行い、会員5人が参加した。
メロン農園で、園主の市原義啓(よしひろ)さん(60)から良い実の見分け方を習い、アールスメロンの収穫を体験。摘果した小さいメロンを漬物や炒め物に活用するアイデアも教わった。大阪から移住し昨年、新規就農した市原さんは「宿との連携で氷見に貢献できればうれしい」と話す。約60種類のハーブを栽培するフローリアでは、世話をする小久保明紀さん(69)の案内で食用ハーブを見て回り、香りなどを確かめた。
叶(かのう)美千代会長(民宿叶・女将(おかみ))は「メニューに使えるものは大いに使うことが氷見全体のPRにもなる。水産物だけに頼らない、新たな道が開ければいい」と話した。会の事務局の氷見商工会議所や、市内農業従事者を支援する市担い手育成支援協議会は、料理に使うだけでなく、将来的には宿泊客にメロン刈りやハーブ摘みといった体験サービスとして提供できるよう連携を深めたいとしている。