2012年から毎年8月に開催、今年で14回目となる「戦争の記憶と記録を語り継ぐ映画祭」が8月2~4日、東京・池袋の新文芸坐で開かれる。

 8月2日は、数千人が亡くなった愛知県豊川市の海軍工廠への空襲を扱った「十六歳の戦争」を上映。この作品が映画初主演で一人二役に挑んだ秋吉久美子のトークショーが、上映後に開かれる。

 1973年に撮影された同作は「薔薇の葬列」で知られる松本俊夫が監督。難解とされて公開が遅れたが、映画「赤ちょうちん」(74年)で秋吉の人気が爆発した後、76年に公開された。今回、スクリーンでの上映は貴重な機会という。

 8月3日は、食糧難で花栽培が禁じられた第2次世界大戦末期、花作りを続けた実在の女性を主人公にした「花物語」(89年)を上映。主演の高橋恵子と息子役の八神徳幸が語り合う。

 8月4日の上映は、ドキュメンタリー映画「ラストメッセージ“不死身の特攻兵”佐々木友次伍長」(2021年)。ナレーションを担当した俳優星野知子と上松道夫監督が登壇する。

 独力でこの映画祭を立ち上げ、主催し続けているイベント企画・番組制作者の御手洗志帆(37)=広島市出身、札幌市在住=は「戦後80年。戦争体験者が減っていく中で、映画が持つ記憶と記録を伝えていく力を信じて、平和の映画祭を開きたい」と話している。

 チケットは7月26日以降順次、新文芸坐公式サイトで販売する。

▼8月2日(土)

 ・11:40~13:20 上映「十六歳の戦争」

 ・13:30~14:20 秋吉久美子、立花珠樹(映画評論家)トークショー

▼8月3日(日)

 ・10:30~12:10 上映「花物語」

 ・12:20~13:10 高橋恵子、八神徳幸トークショー

▼8月4日(月)

 ・10:30~12:10 上映「ラストメッセージ“不死身の特攻兵”佐々木友次伍長」

 ・12:20~13:10 星野知子と上松道夫監督トークショー

※新文芸坐公式サイト

https://www.shin-bungeiza.com/