東京都渋谷区の猿楽(さるがく)小学校の5年生44人が20日、姉妹校である富山県の射水市金山小学校を訪れ、同校の5、6年生20人と交流した。戦時中の1944年に猿楽小側が金山地区に集団疎開したことが縁で訪問は恒例になっている。この日は一緒に蜂蜜を採取するなどして楽しいひとときを過ごした。
金山小に集まった両校の子どもたちは保護者らの協力の下、藍染めや木工に親しんだ。蜂蜜の採取では、巣枠を普段見る機会の少ない猿楽小の児童は興味津々の様子で取り組んだ。手動の遠心分離機を回し、採れたてを口に含んで「甘い」と声を上げた。
猿楽小の渡辺姫百合(ひめゆり)さんは「富山は空気がきれいで過ごしやすい。蜂蜜はおいしかった」と笑顔。金山小の徳中結馬さん(6年)は「楽しんでくれてうれしい」と話した。
金山小の児童は地元の歴史や自然を紹介した。疎開を受け入れていた頃の食事を調べた北角丞さん(5年)は、住民が麦ご飯や芋などを提供していたことを発表。「生活が苦しい中でも地域の人は優しかった」と先人に敬意を示した。
猿楽小児童は22日まで県内に滞在。21日は室堂に足を運ぶ予定。
平和の大切さを忘れずに受け継いでいこうと、両校は77年から交互に行き来している。猿楽小側は今年から希望児童が毎年訪れることになった。金山小側は9月に都内を訪れることになっている。