富山県南砺市城端地域中心部で9月14日に開かれる第73回城端むぎや祭に向け、城端むぎや祭協賛会(川田征利会長)は、ポスターを作った。ことしは五箇山地域から城端に麦屋節が伝わって100年の節目を迎え、麦屋節のルーツの一つとされる石川県輪島市から能登麦屋節保存会を招く。

 麦屋節が城端に伝わったのは、越中五箇山麦屋節保存会が1925年、東京の日本青年会館のこけら落とし公演に出演した帰りに披露したのがきっかけ。鑑賞した若連中が「新声会」を結成。51年から新型コロナ禍を除き、毎年むぎや祭を開いてきた。

 伝来100年となった今年は、能登地震復興の願いも込め、能登麦屋節保存会を競演会に招待する。歌詞は共通する箇所があるものの、菅笠に紋付きはかま姿の越中の麦屋節と異なり、能登麦屋節は農民姿で踊るなど違いも見比べられる。

 競演会には、南砺平高校郷土芸能部や越中五箇山麦屋節保存会など特別出演の5団体を含め、14団体が参加する。協賛企業の減少に伴い減った運営費を確保するため、8月4日からふるさと納税制度を活用した「ガバメントクラウドファンディング」で支援も募る。

 ポスターには坡場(はば)の坂で踊る男女の写真を採用した。川田会長は「100年の節目を機にルーツを確認するとともに、能登へも元気を送りたい」と話した。