異業種が連携し廃材に付加価値を持たせて再生するアップサイクルのプロジェクト「BACCAIng(ばっかいんぐ)」のフィールドワークと会議が26日、南砺市井波地域などで行われた。ウイスキー樽(たる)の生産過程で生じる端材の説明を受け、使われずにいた素材の新たな可能性を探った。

 ばっかいんぐは2024年度からスタートし、25年度から建築家やデザイナーらクリエーターを交えて具体的な解決策を模索している。この日は、クリエーター5人をはじめ、県や県新世紀産業機構の職員、有識者ら約20人が参加した。

 南砺市内の工房や倉庫では、島田木材(同市山見)の島田優平社長がミズナラを使った樽作りを紹介。品質にこだわるため、多くの端材が出ると説明すると、クリエーターからは「宝の山だ」「作り手の目的に合えば十分使える」との声が聞かれた。視察後は、県総合デザインセンター(高岡市)で、アイデアや課題を出し合った。

 同プロジェクトでは、10月30日、11月1日に富山市のテクノホールで開かれる「T-Messe2025 県ものづくり総合見本市」で、廃材・端材の活用事例を紹介する。同センターの岡雄一郎デザインディレクターは「ものづくり県の富山だからこそ、いろんな廃材がある。使い道を広げたい」と話した。