富山県高岡市西藤平蔵の光ケ丘病院は、高岡銅器の音色をリハビリや介護に生かそうと、おりんや銅鑼(どら)などを用いてオリジナル楽曲を収録したCD「ヒカリズム」を制作した。銅器の音にピアノと歌声が相まって、美しいハーモニーを堪能できる。

 光ケ丘病院は音色の美しさに着目し、2021年ごろから高岡銅器を使った音楽療法を取り入れている。澄んだ音色を聴くことでリラックスでき、認知機能の維持にも役立つという。療法や高岡銅器の魅力を発信しようと、CDの制作に踏み切った。

 今回作成したのは2曲で、「瑞龍のこだま」「天女」とそれぞれ名付けた。録音には市内の鋳物メーカーに加え、音楽療法士の松井千代子さんらが参加。能作の風鈴や、宮津商店の銅鑼、シマタニ昇龍工房のおりんなど、それぞれの持ち味が詰まった楽曲に仕上がった。

 CDは希望があれば貸し出しなどを行う予定。同病院の新藤悠子理事長補佐は「病院や介護施設はもちろん、市内の観光施設などでも活用してもらいたい。多くの人が音楽療法や高岡銅器の素晴らしさを知るきっかけになればいい」と話している。