手塚治虫の人気漫画をミュージカル化した「ブラック・ジャック」が、6~8月に全国6都市を巡る。主演の坂本昌行は「誰もが知る名作のヒーローを演じるプレッシャーを感じている。皆さんの思い出を壊さないように頑張りたい」と話す。

 坂本演じる外科医ブラック・ジャック(BJ)は、腕利きだが法外な治療費を請求するため世間の評判はいまいち。坂本も「小さい頃に漫画を読んだ時は、死が迫る患者にもクールに接するBJが怖かった」と話す。

 だが、出演に際して原作を読み返してみると「クールな言動の奥にすごく温かいものを持っている人だと気付いた」。役作りでは歌の力も借りて「普段は出てこないBJの本心を観客に伝えられたら」と語る。

 今回の患者は、謎の病で食事ができなくなった若手映画スターの真理子。カメラの前に立てず、生きる希望を失いかけている。坂本は「僕も膝の手術をして、元通り踊れるようになるか不安な時期があった」と明かす。

 不安を払拭するため「治るかな」ではなく「治すんだ」と気持ちを切り替えてリハビリに打ち込み、ステージ復帰を果たした。「劇中でBJが真理子に語りかける『最後に治すのはあんただ』というせりふには、僕の実感も込められると思う」

 健康のため続けていることは「ない」。以前は喉のケアやストレッチをしていたが「やらなきゃと思うのがストレスで。全部やめても体調は変わらなかった」と笑った。

ミュージカル「ブラック・ジャック」の公演予定は次の通り。6月28日~7月13日東京・IMM THEATER、18日新潟テルサ、21日名古屋・COMTEC PORTBASE、23日アクトシティ浜松、26日札幌・カナモトホール、31日~8月2日兵庫県立芸術文化センター