「時の記念日」の10日、正午を告げる「ドン」の打ち上げが、神通川の富山大橋上流(富山市有沢)で行われた。1956年に始まり、今年で70回目。

 花火の打ち上げを手がけるマツダ(同市磯部町)の松田利彦社長と次女の大橋智子さんらが河川敷で直径21センチの7号玉を筒に入れ、約5秒前に点火。白煙とともに上空約180メートルまで上がり、正午ちょうどに大きな音を響かせた。

 筒に立てかける看板を作った富山商業高校書道部の荻原志歩さん(3年)と加藤ゆみさん(同)は「70回目の節目に携わることができて光栄。改めて時間の大切さを感じた」と話した。

 富山市では、江戸時代に始まった「時鐘(ときのかね)」の伝統を受け継ぎ、昭和初期まで約40年にわたって毎日正午にドン花火を打ち上げていた。戦時中にサイレンに代わって途絶えたが、市民の要望に応え、記念日に合わせて復活した。