3月末で営業を終えた立山高原ホテル(富山県立山町天狗平)を巡り、新しい事業者が7月にも営業を再開することが6日、分かった。県が再開に向けて運営委託先を公募し、宿泊施設の運営などを担う「シェルパ」(東京都、ダニエル・コックス社長)に決まった。同社の担当者は取材に「多言語対応できるスタッフをそろえ、インバウンド(訪日客)を含めた需要の取り込みを目指す」と話した。

 同ホテルは立山・天狗平(標高2300メートル)にある。シェルパは5月下旬、県の公募型プロポーザルで2社から選ばれた。宿泊施設や外国人観光客向けのスキー教室を運営するノウハウを生かし、利用客の増加を図る。オープンは早ければ7月中旬の見通しで、11月初旬まで営業するという。

 各種コスト高を踏まえ、宿泊料は従来より10~15%程度高くなる予定。ツインルームで1人2万5千円~3万円程度を見込む。

 立山高原ホテルはこれまで、公立学校共済組合富山支部が主に教職員の保養所として運営してきたが、大幅な利用者の減少や従業員不足などで経営を続けられなくなった。建物を保有する県は新たな運営委託先として、同社を選定した。