6月6日に大阪・関西万博のステージに出演する富山県高岡市の弥栄節(やがえぶし)保存会は31日、同市高岡西部小学校で、本番に向けた囃子(はやし)と踊りの練習に励んだ。

 6日の大阪万博では、万葉集や大伴家持にゆかりのある地域が全国から集まり、伝統芸能や祭りを発信する。

 保存会からは踊り方と囃子方の計29人が舞台に立つ。31日は集まったメンバーが本番を想定して通し稽古を行い、舞台上での動きや楽器の調子などを念入りに確認した。

 15年前から保存会の活動に参加している中川本町の大村忠正さん(73)は当日、歌い手として参加する。「弥栄節の踊りと歌で、高岡が歴史と文化のある伝統的な町だということを伝えたい」と意気込んだ。練習は1日も行う。

 弥栄節は高岡銅器発祥の地、同市金屋町に伝わる民謡で、鋳物業の工程「たたら踏み」の作業歌をルーツとする。高岡鋳物の礎を築いた加賀藩2代藩主前田利長の遺徳をしのぶ毎年6月の「御印祭(ごいんさい)」で披露されている。