越中だいもん凧(たこ)まつりが18日、富山県射水市枇杷首(びわくび)の庄川左岸河川敷にある大門カイトパークで開かれた。大勢の人が訪れ、空高く揚がった連凧や大凧を眺めて楽しんだ。凧まつりは参加団体と担い手の減少や高齢化に伴い、今回で46年の歴史に幕を下ろす。
開会式の後、地元の児童クラブや自治会、県外の6団体が「連凧揚げ」をスタート。1本の糸に数多くつながった連凧が、風を受けて空を舞った。
6畳以上の大型の凧による「大凧揚げ」には自治会や県内企業など13団体が参加。強い風が吹く中、凧を立ててから力を合わせてロープを引くと絵が描かれた大凧が悠々と揚がった。
凧まつりは市などでつくる実行委員会が主催し、今回で43回目。旧大門町時代の1979年、もともと枇杷首自治会と大門町児童クラブ連合会が行っていた行事を発展させる形で始まった。
「越中だいもん凧の会」元会長で草創期から取り組みに携わってきた藤田實さん(90)=同市枇杷首=は「凧揚げは男のロマンで、魅力は揚げた人にしか分からない。凧が好きな人が増え、いつか凧まつりを開くのを期待し、若い人に託したい」と話した。
市は大門地域を中心に育まれた凧文化を次代に継承するため、大門小学校で開いてきた凧づくり教室を市全域の小学校へ拡大するほか、新たに凧揚げイベントを実施する団体への補助制度の創設も検討する。