富山県南砺市城端(大工町)に、気軽に一杯が楽しめる居酒屋「城端よりそい横丁」が17日、オープンする。城端地域では夜遅くまで営業する飲食店が少なく、新たな交流の場にしたいと地元企業の社長が空き家を改修して開設した。金、土曜夜の営業日以外は店を貸し出し、開業を考える人がチャレンジできる場にもする。
飲食店を開いたのは、シャッターの販売・施工などを手がける「さとう美装」社長の佐藤良介さん(36)。地元では午後10時以降に営業する飲食店や地元の団体が会合などで集える場所が少なく、かねてから交流の拠点となる場所をつくれないか考えていた。
場所を探していたところ、市の空き家バンクを通じて地元の大工町に空き物件があるのを知り、築50年ほどの民家を購入した。
店名には、地域に寄り添い、人と人がつながる場所にしたいとの思いを込めた。店は城端曳山(ひきやま)祭の時に曳山が屋根を折り上げて通る狭い路地沿いにあり、店の看板やメニュー表にも曳山をあしらった。
金、土曜の午後7時から午前0時まで居酒屋営業するほか、営業しない日や時間帯は飲食店事業を検討する人に店を貸し出す。佐藤さんは「厨房機器や食器はそろっているので、少ない初期投資で始められる。挑戦する人を応援したい」と話す。
店内には75インチの大型モニターやWi-Fi、演台を備え、会合や講演会の場所としても利用できる。
城端の中心部では今月9日に、「SHARE(シェア)じょうはな織館(おりやかた)」がオープンするなど開業が続く。佐藤さんは「地域活性化のために一緒に盛り上げていきたい」と意気込んでいる。