マルタ船籍のクルーズ船「アザマラ・パシュート」(3万277トン)が9日、射水市の富山新港海王岸壁に寄港した。同港への外国クルーズ船の寄港は2023年4月以来、約2年ぶり。乗客は県内の観光地へ繰り出した。

 アザマラ・パシュートの船会社はアザマラ(米国)で、県内への寄港は初めて。全長181メートル、幅25・46メートルで、乗客定員は702人、乗組員は約410人。

 海王岸壁で入港歓迎式があり、夏野元志市長が「富山県と射水の魅力を堪能してほしい」と歓迎の言葉を述べ、船長に入港記念パネルを贈った。碓井尚登県富山新港管理局長から若鶴酒造三郎丸蒸留所(砺波市)のウイスキー、伏木海陸運送から立山酒造(同市)の日本酒が贈呈された。

 乗客は市内の内川のほか、高岡市の国宝瑞龍寺や金屋町、富山市八尾地域を訪れた。南砺市の井波地域や相倉合掌造り集落などでも観光を楽しんだ。夕方に新湊高校吹奏楽部による演奏が披露され、夜には次の寄港地の金沢港に向け出港した。

 同船は3日に東京を出発し、太平洋側を北上した後に日本海側を南下するルートで各地に寄港し、18日に神戸に到着する。