富山県高岡市醍醐の今城(いまき)農園は、球根の栄養を保つため摘み取られてしまうチューリップの花をより長く楽しめるようにしようとドライフラワーを制作し、同農園で開くフラワーアレンジメント教室で活用している。社長の今城朱美さん(71)は「品種も多く、色や形もさまざまなチューリップを、季節を問わず楽しんでほしい」と話した。

 今城さんはチューリップ球根生産が盛んな砺波市で育った。捨てられてしまう花を長く楽しみたいと考え、1997年からドライフラワーを作り始めた。3年かけて試行を重ね、色と形をきれいに保つ乾燥方法を編み出した。

 今年は砺波市の球根農家から譲り受けるなどして約2千本をドライフラワーにする予定で、一押しの品種は「乙女のドレス」という。淡いピンクの花びらが重なり、花先がギザギザしているのが特徴だ。

 農園ではハーブを栽培するほか、不定期でフラワーアレンジメント教室を開いている。リース作りなどを教えている今城さんは「花を飾った空間づくりは潤いをもたらし、生きがいにもつながる。教室を通じてその素晴らしさを知ってほしい」と語った。