富山県黒部市生地経新でうどん店「名水食堂 白兎(はくと)亭」を営む山田豊誠(とよせい)さん(47)は6日、同市生地公民館で手打ちうどんの体験会を開いた。黒部の名水に魅了されて2年前に店を開き、地元の人たちに水の魅力を伝えようと初めて開催。参加者は、山田さんにうどんの打ち方を教えてもらうとともに、周辺で湧き出る「清水(しょうず)」をガイドと共に巡り、郷土の「財産」に理解を深めた。

 大阪市出身の山田さんはかつて製薬会社に勤め、転勤で全国を巡った。金沢市で勤務していた時、黒部市で行われたカーター記念黒部名水マラソンに出場。清水や景色の美しさに引かれ、2023年1月に開店。多くの人が訪れるようになった。

 この日は親子ら19人が参加。山田さんの手ほどきを受けながら清水を使ってうどんを打った。生地を寝かせている間に、黒部観光ガイド・生地の米屋清美会長の案内で、清水や大型漁船が通るときに旋回して脇に寄る生地中橋などを見学した。その後、生地を伸ばして切り、うどんを仕上げて味わった。

 地元では当たり前となっている清水は、移住してきた山田さんにとっては魅力あふれる特別な存在だ。山田さんは「地域の宝物に気付くきっかけになればうれしい」と話した。体験会は北日本新聞社後援。