江戸時代に栄華を極めた町人文化を伝える「越中八尾曳山(ひきやま)祭」が3日、富山県富山市八尾地域で行われ、絢爛(けんらん)豪華な装飾を施した曳山6基が地域を練り回り、大勢の見物客を魅了した。
聞名寺(今町)で出発式が行われ、八尾壮年団の杉山元一団長と越中八尾曳山保存会の栃山仁一会長があいさつ。露払いを担う鏡町の獅子舞とみこしに続き、諏訪、東、今、下新、西、上新町の順に出発。各町は曳山囃子(ばやし)を奏でながら、引き手の「ほうりきのみっつのようかんぼう」のかけ声に合わせて巡行した。
道路の曲がり角では力強く向きを変える「角回し」を行い、見物客から拍手と歓声が湧き起こった。大阪府から家族で観光に訪れた熊本エリさん(54)は「初めて見たが、岸和田だんじり祭と違い、静かで風流がある」と話した。
曳山完成250年を迎えた今町は、経路を一部変更して巡行した。
祭りは八尾八幡社(下新町)の春季祭礼で、280年以上の歴史があり、曳山は県有形民俗文化財に指定されている。