富山県南砺市井波地域で井波彫刻を学ぶドイツ人彫刻家、ハンス・ワイツさん(26)が、オリジナルのボードゲーム「精進チェス」で使う駒を完成させた。約5カ月かけた労作で、井波で培った技術を生かして精巧な彫刻を施した。
ワイツさんはこれまで母国やメキシコで彫刻技術を学んできた。井波には修業の一環で昨年1月から滞在。地元の木彫刻師に師事し、技術を磨いている。
「精進チェス」は、チェスと将棋を組み合わせたオリジナルゲーム。考案したオーストリアのゲームプロデューサーから、日本らしい和の雰囲気で仕上げてほしいとSNS(交流サイト)で制作依頼を受けた。
ボード盤は市内の家具職人らが作り、駒をワイツさんが手がけた。各駒には漢字のほか、竜や忍者、侍など役割に応じた日本らしい模様をあしらった。
ワイツさんは2日、関係者に完成品を披露。「周囲の支えで完成できた。日本の伝統や精神性を感じてほしい」と話した。