富山県小矢部市中央町の薄氷本舗五郎丸屋は、フランスの老舗ジュエリーブランド「CHAUMET(ショーメ)」とコラボレーションした限定商品を手がけた。琥珀(こはく)糖にガラス細工のような繊細な模様を施した人気商品「きせつのさがしもの」を宝石らしくアレンジした。16代目の渡邉克明社長(54)は「世界的なブランドに注目してもらえてうれしい」と話した。

 きせつのさがしものは、東京のガラス作家、山本真衣さんの江戸切子作品から着想を得た和菓子。カクテルで色を付けた琥珀糖を9個敷き詰めた商品で、2022年から季節ごとに色味を変えて販売している。ショーメの社員の間では「宝石のような幻のお菓子」として話題となっており、コラボの提案につながった。

 ショーメは1780年にパリで創業し、ナポレオンの妻、ジョセフィーヌ皇后御用達のジュエリーブランドとして知られる。今年4月下旬に東京で「色彩の芸術」をテーマにしたハイジュエリーイベントを開くのに合わせて昨年末、イベント限定の「きせつのさがしもの」の開発を五郎丸屋に依頼した。

 五郎丸屋も260年余り続く老舗店。渡邉社長は「老舗同士で新しいものを作りたい」と快諾し、宝石をイメージした青や白などの新色をそろえた。計200セットが4月17~20日に開かれたイベントで来場者に贈られた。一般販売は行わない。

 渡邉社長は「大変光栄なこと。これからも伝統を軸にしながら新しいことに挑み続けたい」と意気込む。