若鶴酒造(富山県砺波市三郎丸)は、ウイスキー蒸留所「三郎丸蒸留所」に、製品のライフサイクルを表現した巨大黒板アートを設置し、1日から公開を始めた。現在はイラストを描く作業を進めており、3日に完成予定。7月末をめどに拡張現実(AR)の技術を活用したアトラクションも始める計画で、イラストが動いて見えるよう演出する。
三郎丸蒸留所として、地域資源の活用や環境配慮の取り組みに力を入れていることから、「富山の自然と共に歩む」をテーマに、ウイスキー製造に関する資源の循環をイラストで表現。1階の壁面に横3メートル、縦2・5メートルの黒板を設置し、高岡市のイラストレーター、Kiamuさんが、太陽の光を浴びて育つ大麦や、ウイスキー製造の各工程などを描いている。
瓶やたるがリサイクルされていることなども紹介している。
7月末に開始予定のARを使った仕掛けは、携帯電話などでQRコードを読み取る仕組みで、動いて見えるイラストを楽しめる。
1日は一般公開に先立ち、若鶴酒造の稲垣貴彦社長と、企画監修を務めた高岡市のアートディレクター、中山真由美さん、Kiamuさんが、報道関係者向けに作品を発表。稲垣社長は「豊かな自然の恵みでウイスキーが作られ、製品づくりを通じて資源が循環していることを知ってほしい」と語った。
作品は蒸留所の見学者(有料)に公開し、3日まではKiamuさんが制作する様子も見ることができる。