小牧ダム(富山県砺波市庄川町小牧)の左岸側の下流にある広場が展望スペースとして整備され、16日、一般開放が始まった。かつて「東洋一」と呼ばれたダムのスケールを体感し、庄川峡を一望することができる。ダムで1年間貯蔵し、熟成させた地元の日本酒とみそも披露された。砺波の新たな観光資源としてアピールしていく。
小牧ダムは氷見市出身の実業家、浅野総一郎が建設に携わり、1930年11月に完成した。高さ79・2メートル、堤頂の長さ300・8メートルで、建設当時は東洋一の規模を誇った。
広場の面積は約3千平方メートル。木材を運搬するための貯木場として使われ、近年は資材置き場になっていた。管理する関西電力が地域の観光振興に協力しようと、2023年から柵や看板、階段に手すりを設置するなど整備を進めてきた。新たに名称を小牧ダム下流広場「FreeDAM(フリーダム)コマキ」とし、雪がない4~10月末の期間中、午前9時~午後5時まで開放する。
広場のオープニングセレモニーには、関電や地元の関係者30人が出席した。関電庄川水力センターの田村友一所長が「多くの人に壮大な歴史を持つ小牧ダムを見てもらいたい」とあいさつ。市観光協会の五島辰夫会長が「砺波の大きなブランドになれば幸い」と述べ、テープカットした。
市観光協会と庄川峡観光協同組合が、関電の協力を得て取り組む「食品熟成プロジェクト」の24年度分の商品も発表した。24年3月からダムの地下16メートルにある点検用通路で熟成した若鶴酒造(三郎丸)の純米吟醸と、紺田糀(こうじ)・味噌(みそ)醸造所(庄川町天正)のこうじみそを披露。「まろやかな味わいに仕上がった」と紹介した。出席者は迫力あるダムの放流を眺めながら味を確かめた。
純米酒は18日から道の駅砺波で50本、22日からは2025となみチューリップフェアの主会場となる砺波チューリップ公園で150本販売する。みそは18日から道の駅砺波で200個取り扱う。