富山県氷見市吉懸(よしがけ)のヤギ牧場「げんじぃの吉がけ牧場」近くの古民家に15日、ヤギカフェ「草の音」がオープンした。吉がけ牧場に通い、ヤギに魅了された富山市の高畑絹代さん(53)が開き、栄養豊富なヤギミルクを使ったスイーツや飲み物を提供する。高畑さんは「牧場のヤギと昔の暮らしを感じられるカフェで心と体を癒やしてほしい」と話している。
飲食店の店長だった高畑さんは仕事でたまったストレスを解消しようと、吉がけ牧場ができた2018年から通い続けてきた。ヤギの優しい目が大好きという。
「県内初のヤギセラピーカフェ」を開きたいと物件を探していたところ、牧場代表の「げんじぃ」こと村江元三さん(79)から、自分が生まれ育った築100年以上の空き家の一角を貸してもらえることになった。カフェ運営には村江さんの長男、剛さん(53)が協力する。
古民家は牧場から約200メートルのところにあり、いろりのある大広間と居間を16席あるカフェスペースに改修した。ヤギミルクのプリンやカフェオレ、緑の野菜をふんだんに使った「牧場パスタ」などを提供する。大きなスクリーンでヤギの動画も放映している。
高畑さんは「せっかく牧場に来たのに雨でヤギと触れ合えなかったという人もいる。天候に左右されずにくつろいでヤギの魅力に触れられる場所にしたい」と話す。沖縄県から早速来店した濱田朗楽(ろうら)さん(23)は全国の牧場を巡るヤギファンで「古民家を生かしたすてきな空間」と笑みを見せていた。
過疎化が進む古里に人を呼び込もうと3頭の飼育から始まった吉がけ牧場には現在、子ヤギ10頭を含む43頭がいる。見学は無料。