あいの風とやま鉄道の観光列車「一万三千尺物語」で提供する料理がリニューアルされ、12日、関係者にお披露目された。すしネタに氷見産のあぶったノドグロ(アカムツ)、食器に富山県高岡市の鋳物メーカー、能作の製品を使うなどして高級感を高めた。一般客は19日から味わえる。

 観光列車は2019年4月から、土日と一部祝日に運行。立山連峰や富山湾の風景を眺めながら、県産食材をふんだんに使った料理や地酒を楽しめる。富山-泊駅を往復する1号(富山湾鮨(すし)コース)と、富山駅発着で高岡駅や黒部駅を巡る2号(越中懐石コース)がある。

 あいの風鉄道が今年開業10年を迎えたこともあり、メニューを変更した。富山湾鮨コースの料理は25年度から、富山、高岡両市で「粋鮨(いきずし)」などを運営する美人家(びじんや)(氷見市)が担当。すしネタと食器のほか、シャリを氷見産コシヒカリ「ひみ穂波」、お吸い物をワタリガニのみそ汁に入れ替えた。越中懐石コースは日本料理の五万石(富山市)が引き続き提供し、今月初旬からカニグラタンをローストビーフなどに変えた。

 12日は役員や招待者ら向けのテスト運行があり、美人家の職人が車内で料理を作り、提供した。あいの風鉄道の藤井敏明運輸部担当部長は「新しいメニューを風光明媚(めいび)な景色とともに楽しんでほしい」と話した。料金は両コースとも1万9800円(小学生以下は半額)。