富山市西大沢、春日長走(ながしり)、下タ林(したばやし)の住民でつくる新美(しんび)獅子舞保存会が12日の春季祭礼を最後に、53年の活動に幕を下ろす。毎年地域で演舞を披露していたが、担い手の高齢化などを背景に、区切りを付けることになった。

 獅子舞は保存会が主体となって毎年4月上旬、同市西大沢の神社「神明社」を起点に公民館など地域の拠点を回っていた。しかし、近年は踊り手の高齢化が進んでいることから、終了を決めた。

 保存会のメンバーは12日に披露する最後の演舞に向け、練習を重ねている。10日は西大沢会館(西大沢)に約40人が集まり、細かい手足の振り付けや流れを確認した。当日は小学生から71歳まで住民58人の参加を予定しており、地域内約20カ所を練り歩く。

 保存会の坂野宏樹会長(53)は「長い間支えてもらった感謝の気持ちを舞で伝えたい」と意気込んだ。