富山県高岡市伏木一宮の氣多(けた)神社奉賛会(北野健一会長)は30日、鎌倉期に製作された市指定文化財(彫刻)のこま犬を、境内の蔵から拝殿に移設した。参拝者の目に触れやすい場所に設置することで、こま犬の存在を広く発信する。
こま犬はマツ材の寄せ木造り。2体1組で「阿(あ)形」が高さ88センチ、「吽(うん)形」が同92センチで、1961年に市文化財に指定された。
同奉賛会によると、かつては本殿にあったが、98年にみこしを保管する蔵が完成したのを機に移されていた。蔵に収納されている間に地元でもこま犬があることを知らない人が増えたため、拝殿に移設する計画を練っていた。
30日は奉賛会員15人がこま犬を拝殿に運び、スギ材の台に設置した。北野会長は「せっかくの文化財なので多くの人に見てほしい」と話した。