富山市は、31日に市営八尾コミュニティバスの車両に電気自動車(EV)を本格導入するのを前に、26日、同市八尾地域で試乗会を開いた。地元住民15人や関係者らが坂の町を巡り、乗り心地を確かめた。
市営バスにEVを活用するのは初めて。商用EVの新興企業、EVモーターズ・ジャパン(北九州市)の車両1台を導入し、主に八尾地域の工業団地を通り、通勤客が多い中核線で運用する。市によると、バスは4時間で充電を完了でき、実走距離は約200キロ。二つのコンセントを備え、非常時の電源としての使用も見込む。
試乗会に先立ち、オープニングセレモニーがJR越中八尾駅前であった。藤井裕久市長が「走行時の揺れが少なく、騒音も小さくなることが期待できる。今後も持続可能なまちづくりに力を入れたい」とあいさつ。八尾地域自治振興連合会の中井義則会長ら関係者とテープカットした。
試乗会では同駅から坂の多い八尾町中心部を巡り、EVならではのスムーズな加速を体験。同市八尾町滅鬼の橋本美義さん(76)は「上り坂は優しい加速だった。音は常に静かで良かった」と話した。市は大山、山田地域でもEVバスの導入を検討するという。