富山県は21日、能登半島地震による富山湾の水産資源への影響調査結果をまとめた。海底地滑りで海水と堆積した土砂が混ざり合い、シロエビやベニズワイガニの生息環境が悪化し、漁獲量の減少につながったとみられる。

 2024年の1年間の漁獲量は、シロエビが23年より65%減少し193トン、ベニズワイが同20%減の230トンにとどまり、記録の残る1985年以降最も少なかった。

 県は2024年5月、富山湾の水深6~600メートル74地点の海底堆積物を採取し、地震前と比較した。堆積物にゴカイなど生きた底生生物が確認できなかった地点は11~21年はゼロだったのに対し、地震後は9地点あった。海底地滑りで堆積物がかき乱された影響とみられ、このためシロエビやベニズワイガニも死んだり、すみかを変えたりした可能性がある。

 シロエビ、ベニズワイガニともに漁期後半には漁獲量が回復する傾向がみられたが、県は今後も状況を注視し、過度に漁獲することがないよう資源管理に努めることが重要だと結論づけた。25年度も引き続き海底堆積物の調査などに取り組む。