日本樹木医会県支部は14日、富山県南砺市利賀村栗当の国指定天然記念物「脇谷のトチノキ」が積雪の影響で枝折れの被害を受けたため、腐朽防止処理を現地で行った。

 トチノキは高さ20メートル、幹周りは5メートルを超え、樹齢は800年以上とされる。1926(大正15)年に国の天然記念物に指定された。 現在は過去の幹折れの影響などで、内部の空洞化が進んでいる。昨年末の積雪で約10メートルの大枝が折れ、処置をしなければさらに腐朽が進む状態になっていた。

 14日は同支部の樹木医、吹上幸司さんやアーボリスト(樹護士(じゅごし))、造園業者ら4人が作業に参加。大枝が折れた部分の根元をチェーンソーで滑らかにした後、腐朽が進まないよう薬剤を塗布した。

 吹上さんは「元気に戻すのは難しいが、少しでも永く後世に残せるよう対処を続けていきたい」と話している。