富山県高岡市伏木地区で5月に開かれる伏木曳山(ひきやま)祭に向け、氷見市床鍋地区の女性でつくるわら細工加工グループ「ワラ工房床鍋」のメンバーが6日、山車(やま)を華やかに彩る花傘(はながさ)を仕上げた。

 ワラ工房床鍋は、伏木曳山保存会理事の浦上忠雄さん(81)=高岡市伏木本町=から二十数年前に依頼されたのをきっかけに請け負うようになった。今年は2年ぶりの依頼で柳原きよ子代表(86)ら6人が2月から上町と中町の花傘や山車花を作り始めた。

 花傘の花は丸い和紙の外周に入った切れ込みにナイフで一つ一つよりをかけ、花びらのようにひだを作り、18枚を重ねて立体的に仕上げる。花や葉を取り付ける竹の棒の加工は、床鍋を拠点に活動している竹細工グループのメンバーの浦上さんが毎回担っている。

 上町には2日に引き渡しを終え、6日は中町の花傘の花一つ一つに金紙で折ったチョウを飾り、完成させた。

 メンバーは80代が中心で、いつまで続けられるかは分からないという。最高齢の有坂ヤイ子さん(91)は「皆さんに喜んでもらえるように頑張って作った」と言う。今回新たに加わった山崎いく子さん(74)と名内智子さん(70)は「教えてもらいながら皆さんと作るのが楽しかった」「これからも作っていきたい」とそれぞれ話した。