改修工事のため休館していた魚津水族館(富山県魚津市三ケ)は1日、約1カ月ぶりに営業を再開した。クラウドファンディングによる支援を活用して修繕した「富山湾大水槽」に魚が放されると拍手が起き、大勢の来館者が元気に泳ぎ回る姿を見守った。

 富山湾を代表する大型魚など約140匹を展示する富山湾大水槽は水中トンネルの水漏れが見つかり、2月3日から臨時休館して修繕した。

 この日は午前9時のオープン直後から家族連れらが次々と来館。午前に県水産研究所に預けられていたキジハタ4匹とヒラスズキ1匹、午後はクエ1匹とアオハタ1匹、カサゴ5匹の計12匹が水槽内に戻された。順次、魚を増やし、ブリやカンパチなどの大型魚は休館日の10日に搬入する。

 冷却機の故障などで1年間休止していた「深海生物コーナー」も復活し、ベニズワイガニなど魚津港に揚がった魚介類を展示。富山の外来生物を紹介するコーナーも新たに設けた。

 富山市から家族で訪れた中学1年の菰原隼人さんは「魚に興味を持ったのは魚津水族館のおかげ。思い出のある水族館が続くよう、応援したい」と話した。

 魚津水族館は現存する国内の水族館では最も古く、3代目となる現在の施設も1981年のオープンから40年以上が経過して老朽化が進み、昨年8月から改修工事を行ってきた。改修のため「ふるさと納税型クラウドファンディング」を行い、2千万円の目標に対して全国から4600万円以上の支援が寄せられた。