上市高校(富山県上市町斉神新)の生徒でつくるグリーン同好会は28日、同校敷地のソメイヨシノの古木から取り木して育てた苗木を校内で植樹した。同好会が取り組む「100年サクラ保存プロジェクト」の活動で、4月には開花する見込みという。生徒たちは「次の100年も後輩たちを見守り共に成長していってほしい」と願いを込めた。

 2019年に創立100年を迎えた上市高の敷地には、ソメイヨシノの並木道がある。中には枯れて倒れたものもあることから、グリーン同好会が挿し木や取り木、接ぎ木から苗木を育て、次の100年につなげる活動を昨年から進めている。

 今回植えたのは、発根が確認され、昨年9月から生徒たちが大切に育てた苗木。2月末までに高さ1メートルほどに成長し、花の芽は膨らみ始めている。

 生徒や来訪者の目に触れやすい正面玄関そばの花壇に1本植えた。同好会の1~3年生と生徒会長、同窓会役員がスコップを手に作業した。荒廃竹林対策として生徒が手がけた竹チップや竹炭を使い、あらかじめ土壌改良を施しておいた。併せて、保存に取り組む絶滅危惧種のオミナエシも植えた。

 同好会長の平石捺貴(なつき)さん(3年)は「学校で学んだ技術を生かし、次の100年に引き継ぐお手伝いができたことがうれしい」、麻柄建心さん(同)は「とてもいい経験ができた。卒業後の人生で生かしていきたい」と話した。