富山県の南砺平高校(南砺市大島・平)が今年から初めて実施した全国募集の合格者が13日、発表され、募集定員6人に対して志願した6人全員が合格した。
同校は2018年度以降、7年連続で定員割れが続いており、入学者の確保につなげるため、県内で初めて全国募集の実施に踏み切った。入試は10日に行われ、6人が作文と面接の試験に臨んでいた。
県立高校課は「同校と同市、県教委の3者が連携してPRに努めた結果」と強調。合格した場合は入学を確約することを志願条件としており「条件に書いている以上、来ていただけるものと思っている」とした。
定員充足に地元安堵
南砺平高校の全国募集に定員と同じ6人が合格したことに、地元から13日、「地域に活気が出る」「受け入れ準備を進めたい」と歓迎の声が上がった。
「1人、2人しか来なかったらどうしようと不安だったので、ひと安心だ」。平地域づくり協議会長の南田実さん(74)は安堵(あんど)する。「若い人が増えると活気が出る。地域に早く溶け込めるようサポートしたい」と話した。
地元では、平日は寮で生活する県外生が週末を過ごす下宿先(ホストファミリー)として、地元の数軒が受け入れ準備を進めている。市は、合格者と住民との顔合わせの場を設けることも検討している。
同校は、説明会などで郷土芸能部やスキー部など特色ある部活動や魅力をPRしてきた。永井孝昌教頭は「親元を離れ富山県で学ぶ選択をしてくれた。特色ある活動に一緒に取り組みたい」と語り、県外生の存在が他の生徒の刺激になり、教育の幅が広がることも期待した。