芥川賞作家で北日本文学賞選者の宮本輝さんが、富山の売薬を主人公につづった歴史小説「潮音(ちょうおん)」。第1巻の刊行に合わせたトークイベントが北日本新聞ホールで開かれ、作品に込めた思いや取材先での思い出、富山売薬の功績への驚きなどを著者自ら語った。会場を埋めた県内外からの観客約250人に加え、オンラインでも約100人が聴講し、史実に基づいた長編大作の創作秘話に聞き入った。(鴨島舞)
>>トークライブの動画入口は記事の最後にあります
「潮音」は明治維新の陰に富山の売薬たちの活躍があったという史実に光を当てた壮大な物語だ。2015年から9年間にわたった文芸誌「文学界」での連載を、全4巻の単行本として、文芸春秋が4カ月連続で発売する。トークイベントは、作品の構想段階から関わった同社第一文芸部長の武藤旬さんが聞き手を務めた。
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